Cora Pearl コーラ・パール
コベント・ガーデンのプレ・シアター・ミールが、かなり充実してきています。特に注目はHenrietta Street 沿い。
数年前にオープンしたFrenchieやFlat Iron 、Oystermenを皮切りに、ここ最近はDin Tai Fung、 Henrietta Bistro、そして本日ご紹介するCora Pearlなどが続々登場して総入れ替え&花盛りの様相を呈しております。やはり観劇前後は華やいだ雰囲気を味わえるレストランが良いなと、個人的には思います^^
特にグラマラスなロイヤル・オペラ・ハウスにお出かけなら、Cora Pearlはイチオシ。ここは19世紀パリを生きたイギリス人高級娼婦にちなんだ店名と、その生涯にリンクさせたビアズリーの悪婦像を使ったロゴがひときわ目を引く、個性あるレストラン。舞台女優でもあったコーラ・パールを使ったイメージ作戦は、最近のトレンドでもあるヘルシー路線とは一線を画して面白く、かといってデカダンすぎるわけでもなく、いってみれば19世紀末に花開いた独特の社交文化を控えめに再現している・・・そんな感じでしょうか。
じつは当店、メイフェアにある人気レストラン、Kitty Fishersを成功させたチームが手がけた2軒目。18世紀イギリスの高級娼婦として一斉を風靡したキティ・フィッシャーに続く、コーラ・パールというわけです^^
お店のサイトに「モダン・ブリティッシュ」と称してあるのですが、印象としてはほとんどフレンチでした。というのも、この日私たちが注文した料理がはからずも濃厚なものが多くて・・・。例えばフィッシュ・シチューはフランス料理のブイヤベースと同様、チーズがアクセント。かなりリッチです。豚の頬肉を煮込んでオニオン・リングを添えたスターターも濃厚なら、野菜の名前が入っていると思って注文して出てきたパスタ料理も濃厚。そしてシグニチャーとの触れ込みで注文したハム&チーズ・トースティーは上品な3切れではありますが、中身は脂たっぷりのパテ風フィリングで、メイン・コース前に食べるとこれだけで心もお腹も満たされそうでした^^;
サイド・ディッシュにあるトリュフ風味のチップスも名物なので、チップス好きの方はぜひ。こちらもかなりリッチな味わいです! 全体としてはさっぱりとしたサラダのような一品が必須というメニュー構成なので、お食事される場合はバランスよく生野菜のサラダも注文されることをお勧めします ^^
印象的だったのは、サーブしてくださる方が全員、ホスピタリティ業界の経験が豊かそうな中年以上のイギリス人男性だったこと。ヨーロッパに行くとベテランのサーバーさんが誇りを持ってお仕事をされているのを小気味良く感じますが、経験の浅い若い外国人スタッフが増えているロンドンの外食産業では珍しいのではと思いました。もっとも、訪問したのがオープンして日が浅かったので、ボード・メンバーが全員駆り出されていたのかもしれませんけど ^^
この日はまだプレ・シアター・メニューができておらずアラカルトから注文しましたが、現在は2コース20ポンド、3コース25ポンドのシンプルなプレ&アフター・シアター・メニューができているようですね。
ちなみにコーラ・パールの生涯、かなり波乱万丈で読み物としてグイグイ引き込まれます。興味ある方は調べてみてくださいね〜。こちらのWikiの説明だけでも十分に興味をそそられます!